仙台市にて2023年9月25日に開催された第29回トガ・フラビ・ペスチウイルス研究会、同26日から28日に開催された第70回日本ウイルス学会学術集会に、日本パスツール財団の支援を受けて参加しました。
トガ・フラビ・ペスチウイルス研究会は、トガウイルス、フラビウイルス、ペスチウイルスの研究にフォーカスした参加者60名という小規模な会です。さらに重要な点として、この研究会ではたとえ予備データしか持っていなくても、学生たちに自分の研究について発表することを推奨しています。小規模な研究会の利点は、他の研究者たちとよりコミュニケーションが取りやすいことです。私自身、関連する分野で研究されている方々との新たな出会いがあり、このご縁が将来の共同研究につながることを願っています。
日本ウイルス学会に関しては、COVID-19に関連する厳格な規制が解除されてから初めての会となり、500件以上の研究発表がありました。全ての発表者は、口頭発表に選ばれた場合も、対面で議論できるようにポスターでの発表も行いました。そしてこのアイデアは功を奏しました。また、この学会のもう一つの良い側面は、植物ウイルス、真菌ウイルス、昆虫ウイルスのセッションがあったことです。日本ウイルス学会のほとんどの参加者は、ヒトの病気に関連したウイルスの研究を行っていますが、植物や真菌、昆虫のウイルスの研究を行なっている研究者をこの学会に参加しやすくしました。日本のウイルス学をより多様性とインクルーシブに富んだものにするため、このような努力を続けることが大切だと感じています。
第70回日本ウイルス学会学術集会のメイン会場の様子
また、かつての同僚や共同研究者、ウイルス学を通じた友人たちと会えて楽しい時間を過ごしました。このような交流のおかげで研究発表の中には出てこないような多くの情報を交換することができました。日本における研究活動ではこのような間接的な活動が過小評価されがちですが、研究者は皆、それが私たちの研究活動やキャリア開発にとって重要ということを知っています。今回の会を通して、このような対面でのコミュニケーションの重要性を強く感じました。
FPJの支援に感謝申し上げます。
かつての同僚(左)と筆者(右)