今回は、参加者のセッションへのエンゲージメントを高め、研究に関する深い議論を促進することを目的とし、初の学生主体の形式での開催となりました。この新しい形式では、参加者が講師によって厳選された論文を事前に読み、理解したこと・疑問点等をチームでまとめプレゼンテーションします。その後、講師よりその場で直接フィードバックをいただくことで、研究の内容理解や実力UPに繋げ、続く講師や聴講者との双方向性のあるディスカッションによって幅広い交流を行います。
2025年02月06日、Pasteur English Immersion Club (PEIC) は、ニューカレドニアのパスツール研究所に所属し、研究者としてご活躍されているDr. Myrielle Dupont-Rouzeyrolをゲストスピーカーとしてお迎えしました。今回は坂野 千紗都さんと吉田 萌さんが発表者として参加し、Dr. Myrielleの研究について発表を行いました。この研究では、ニューカレドニアでのフィールドリリース前に、ウォルバキア(Wolbachia)という細菌に感染させたネッタイシマカ(NC-wMel)の、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルスの伝播を阻止する効果が調査されました。結論として、NC-wMelはこれからのウイルスの伝播を阻止する効果があると結論づけられました。さらに、ニューカレドニアの首都ヌメアで主に使用されている殺虫剤デルタメトリンへの耐性も維持していることから、フィールド環境下での生存に有利であることが示されました。
インドネシアのジョグジャカルタなど他の地域でウォルバキアを用いたデング熱抑制プロジェクトが成功していることを考慮すると、本研究は、ヌメアでのデング熱およびその他のアルボウイルスの流行を抑制するための戦略として、この手法を実施する可能性を強く支持するものとなっています。
● 吉田萌
“今回、PEICの初めての試みとして学生主体のプレゼンテーションを行いました。論文を読むことはあっても、プレゼンテーションなどを行うことは少なかったため、今回のようなアウトプットする機会を頂けてとても勉強になりました。また英語を用いて準備や発表をすることで、これからの自分のキャリアに活きるスキルを身につけることが出来たと感じています。これからもPEICを通して皆さんで学びを深めていけたら嬉しいです!”
● 坂野千紗都
“チームでのやり取りを通して、学ぶことが多くありました。1人では理解ができない部分も、他のメンバーの考えを伺うことで、どんどん前に進んでいくことができました。その快感をぜひ皆さんにも味わっていただきたいです。また、時間をかけて論文を読むことで、質の高い質問をする良い練習にもなりました。これから、より多くの大学生、若手研究者の方々にPEICに関心を持っていただき、PEICがより活気のある団体になる日を心待ちにしています!”
最後に、ゲストスピーカーとして今回ご登壇くださったDr.Myrielleに、心より感謝申し上げます。お忙しいところ、貴重なお時間を割いてくださり本当にありがとうございました。Dr.Myrielleのご研究について詳しく知りたい方や、ご質問のある方は、contact@pasteur.jpまでお気軽にご連絡ください。
Pasteur English Immersion Club (PEIC) では、日本の若手研究者が将来国際的に活躍するために必要な英語力や論理的思考力を向上させることを目的とした定期的な勉強会を開催しています。興味のある方は、こちらの情報をご確認の上、お気軽にお問い合わせください。