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『第17回細菌学 若手コロッセウム』レポー ト

 医学科5年 松浦力彦 

 今回の若手コロッセウムが初の学会参加であった。私たちはベトナムでのフィールドワークに関してポスターでの掲示を行い、各参加者のポスター発表を聞いたり口頭発表を聞いたりした。 

ポスター発表に関しては、まずポスター作製の段階でどのような内容を伝えるのか、そしてどのような構成・デザインにするのか、伝えるための工夫が必要だと感じた。実際に掲示・発表すると複数の方から興味をもって質問をされ、自分たちの活動が意外と基礎研究にもつながると感じ、また他の視点から質問されることで新たな課題や考え方に触れることができたと思う。 

他の参加者の発表では、私自身が知らないことが多く様々な研究テーマに興味を持つことができた。治療薬に関する研究や新たな治療法に関する研究は、これまで学んできた内容と結び付けて考えることができ、これからそのような治療方法が導入されるかもしれないと思いとても学びになったと考えている。細菌の生態や構造に関するような研究などは、これまで触れていないため理解できない内容もあったが、新たに得る知識が多く、視覚的イメージも刺激的でとても面白い世界があると感じた。何よりも、発表していたり質疑応答をしていたりする場面で多くの参加者が積極的で様々な話題が出ており、研究や細菌という分野を面白いと感じているということが伝わり、とても研究にポジティブな印象を持てる学会であったと思う。 

加えて、意見交換・交流会が学会中に開催され、複数の参加者と研究内容のことだけでなく、各大学・研究室の様子や興味のある事柄に関してフランクに会話することができ、仲を深めることができたことは印象的でとても良い会だったと思う。 

医学科4年 廣田歩実 

今回このイベントに参加して、自分が普段の医学部の講義で学習するから疾患の基礎研究がどのように行われているかを目にした。肺炎球菌に関する研究では、高週齢群マウスと若週齢群マウスのサイトカインの発現など免疫応答の仕組みが比較されていたが、高齢であれば肺炎が重症化すると丸暗記してしまっていた自分には、研究の様々な結果の分析がどれも興味深いものだった。 

また私達は今回、ベトナムにおける薬剤耐性菌の問題をポスターで発表した。耐性菌の蔓延の原因に、医療・畜産分野での抗菌薬の誤用・過剰使用が挙げられていた。畜産分野における薬剤耐性菌の問題は日本でも同様に起こっており、それに関して研究している方の発表を聞くことができ、学びが深まった。農場の管理者側からすれば、確実に病気が蔓延を防ぎたいので、抗菌薬使用を減らすのは簡単に進められることではない。また、研究者と農場管理者の間に入る農業関連団体との信頼関係を維持するためにも、指導する形で抗菌薬を減らすことはむやみに行えない。また、研究において患者さんのサンプルを手に入れることが難しい場合もあり、研究に興味のある医療者がいれば、実臨床に近いところで研究ができるのではないかというお話もあった。このような基礎研究と臨床・実際の現場をつなぐ役割が大事であると感じた。 

また、懇親会でなぜ研究者の道を選んだかなど、飲食を行いながらラフに話せる会があった。どこまでの年月、いまの熱意を持って研究できるか分からないと話す人もいた。だが、分からなかったことがわかる時の喜びというのが、研究者を続けるモチベーションになっているというのは共通のようで、強く研究の楽しさを語る姿はかっこいいと感じた。

医学科3年 松末真奈 

研究ではなくフィールドワークというかたちではあったが、今回初めて学会に参加させていただいた。 

ポスター発表では、何人かの先生、学生さんに興味を持っていただき、薬剤耐性菌の背景を伝えることができた。薬剤耐性菌の研究をされている方々も背景についてはあまり知らないという方も多く、現状や様々な原因についてお伝えすることができて良かったと思う。また、ポスター作りを今回初めて行ったが、先生にもご指導いただき、どのようにまとめると伝えやすいポスターになるのかということを考え作る、という過程は今後の学会参加時に非常に役に立つ経験であった。 

研究内容に関しては、普段学ぶことのない理工学面からみた細菌学についての研究も多く、新たに学ばせていただくことが多かった。反対に、肺炎球菌、薬剤耐性菌などのような直接医療につながるような研究もあり、知識の幅が広がった。先生方、他の参加者の方々に優しく丁寧に教えていただくこともできて、本当に貴重な経験ができた。 

普段は研究、学会の世界に触れることがないため、今回様々な方向性から研究されている方々のお話を聞き、現在の基礎研究で行われていることを学ぶことができたのは将来を考える上でも良い機会となった。個人的に将来研究をして学会に出られる人材になりたいと

いう思いもあり、この機会に参加させていただいたが、みなさんが専門を極めて研究されている姿を見て、モチベーション高く興味を追い求められるような医師になりたいと感じた。 

ご支援いただきまして、本当にありがとうございました。